コイ(ヤマトゴイ)

鯉は鯉でも、金魚の産地である奈良県大和郡山市の地名から由来する飼育系統・人工品種の鯉を、全般にヤマトゴイと呼びます。「ヤマト」の名が付きますが、実は大陸由来の国外外来種で、ブラックバスやブルーギルと同じように、生態系を著しく撹乱する可能性が高いため、注意を要する魚です。

家庭で飼育されている錦鯉のみならず、上西郷川にいるコイもこの外来のヤマトゴイと思われます。日本在来の鯉(いわゆる「ノゴイ」)が、現在確実に確認できる場所は、琵琶湖の深場のみです。上西郷川にはいません。ただし、筑後川や四万十川など水深のある大河川にはまだ残っている可能性も指摘されています。また、ヤマトゴイとノゴイの雑種も、霞ヶ浦などで見つかっています。

上西郷川のヤマトゴイ

ヤマトゴイとノゴイの区別は、必ずしも明確ではありませんが、ヤマトゴイはノゴイに比べて体高が高く扁平になります。一方、ノゴイは体高が低くマルタのように寸胴で細長いです。ただし、ノゴイのように丸太状のヤマトゴイもよく見かけます。

黒くなるよう品種改良されたコイ(上西郷川)

ヤマトゴイの幼魚
ヤマトゴイの幼魚(益城町)。ギンブナの幼魚と判別が難しいですが、口にヒゲがあること、鱗がやや細かいことから区別されます。